前回の2020年度診療報酬改定では、がん、糖尿病、吸入薬などの領域で医療機関と保険薬局の連携が評価され、大きな関心を集めました。
2022年度改定では、地域包括ケアシステムの構築が進む中、連携が重視され、新たな評価項目が設けられることになりました。
障害や難病により、日常的に舌の吸引や人工呼吸器による呼吸管理が必要な子どもを「医療的ケア児」と呼びます。
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今回の改定では、医療的ケア児に対する薬学的管理の評価が一つの柱になっています。
医療的ケア児の薬学的管理は、複雑かつ重要なプロセスです。医療的ケア児が最善のケアを受けるためには、医療機関と保険薬局が密接に連携することが不可欠です。2022年の診療報酬改定は、この分野における医療機関と保険薬局の連携を評価し、改善する重要な機会となる。
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医療的ケア児への最善のケア
これは、2019年の子ども・子育て基本法の施行に伴い、「子どもの保健・発達医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本方針」(以下、「基本方針」という。(2021年に閣議決定された「子どもの健康・発達医療等に関する基本方針」)において、医療体制の整備が盛り込まれたことによります。
調剤報酬では、「特定小児医療費加算」が新設された。
病院では、入院薬剤管理加算を算定できる病棟に小児病棟(小児入院医療管理料を算定する病棟)が追加され、医療ニーズのある小児の退院時の服薬指導や薬局への情報提供は「退院時薬剤情報管理指導連携加算」として新たに評価されています。
これにより、病院は医療体制の整備や薬局への服薬指導・情報提供など、特定小児医療を提供した場合に加算を請求することができるようになりました。これにより、医療ニーズの高い子どもたちが最善の医療を受けられるようになります。
錠剤の粉砕など調製に工夫を要する場合が多い
日本では、医療機関の医師や薬剤師が薬局に対して、子どもが必要とする薬についての情報を提供する場合、その情報を文書で送付することが義務付けられています。
この書面には、子どもの状態に応じた薬の調合や服用方法、入院中に起こりうる処方の変更・中止に関する情報などが含まれていなければなりません。
日本では小児用の製剤が少ないため、錠剤を粉砕するなど工夫が必要な場合もあります。
また、医療を受ける子どもは病状が多様で複雑なため、退院時に病院と薬局の間で情報を共有することが重要です。そうすることで、子どもの服薬ニーズを正しく理解し、対応することができるのです。